T16とQと私

 ターン16も相変わらず妖精との交流に勤しんだターンだった。
 FEG地上部で生まれた羽妖精たち。いつも助けてくれるピクシーQ。そして私。
 感覚的にはそれほど変わりなく続いていた交流は、振り返ってみれば大きな変化があった。

 私は今まで「Qと仲良くしたいから妖精の文化を知りたい」という理由で妖精と交流してきた。
 それはQと私、地上部の妖精たちと私。個人と個人、集団と個人の付き合いであった。
 しかし、昨年の元旦には百人程度だった地上部の妖精たちの人口は今や一万にまで増え、それに伴い地上部はネヴァーランド行政区となった。
 そして、そこに妖精王国の成立が示唆された事は、妖精と付き合う私に一つの転機を与えた。
 地上部の妖精たちとFEG国民という集団と集団の付き合いを視野に入れなければならなくなったというのがそれだ。

 妖精たちの今後を考えねばならなくなった私に、もう一つの変化を与える出来事があった。

 昨年の元旦イベントで手に入れた『妖精の剣(アイテム)』とその派生の『妖精の盾(アイテム)』の開示。
 ナイトメアという妖精と決着を付けるために開示した、人間が妖精のために植え始めた妖精の剣。
 Qや妖精たちを守れればと開示した、妖精王が人間と戦うために妖精の命を生贄に鍛えた妖精の盾。
 奇妙に相反するその二つが今、妖精と人間の合間にいるという私の手元にある。
 それは私の運命で、Qの言葉を要約すれば私が“妖精の絶滅を防ぐ”――“妖精を救う”かららしい。
 Qと出逢った頃から省みて、あまりに王道的展開過ぎて泣けた。

 それは今まで蒔いてきた種が芽を出し、蕾をつけたようなものなのだろう。
 なぜそんなことになったのかも、私はよくわからないでいる。

 ただ、妙に納得している部分はある。
 “妖精を救う”というのが私の運命ならば、それはピクシーQという羽妖精を助けた時から始まっている。
 試練も過去に落ちたQの救出だったし、森林組合もQや妖精が住める森を作り守っていければと思って始めた事。
 なら、次は妖精という種族全体が対象だという事なのだろう。

 ならば良し。

 Qの発言や行動に振り回されて笑っていられる妖精学者。それが私だ。
 Qの言葉が私を信頼してのもので、私にQの信頼を裏切りたくないと思う気持ちとそれをやらねばという思いがあるなら問題ない。
 妖精と人間の合間にあって妖精と人間を繋ぐ者になれるよう歩んでいこう。

(文字数:1000字)